紅麹サプリによる健康被害の報道から見るサプリメント問題の深層。[3/28現在]

今回の小林製薬による紅麹サプリで起こった健康被害について、あらためて「サプリメント」について深掘りをしていきます。
育毛や薄毛、白髪に悩む方でサプリメントを普段から飲んでいる方も多いと思います。
当ブログでも、美しい髪の毛を育てるために補助的な役割としてサプリメントの活用も否定はしていません。
だからこそ、ここでもう一度あらためてサプリメントについて深く勉強できたらと思います。

小林製薬の紅麹サプリ健康被害とは?

小林製薬の紅麹成分の入ったサプリメントを摂取した人の腎臓のダメージや腎疾患により多くの入院患者や4名の死亡が確認された[3/28現在」問題。
製造するどこかの過程に「未知の成分」が混入し、それが原因で健康被害が出ているかなどについては現在解析中のようです。

薬とサプリメントの違い

サプリメントと薬(医薬品)は、用途、効果、製造から市場への流通まで、多くの点で異なります。以下に、主な違いを詳細に説明します。

1. 定義と目的

  • サプリメントは、栄養補助食品とも呼ばれ、ビタミン、ミネラル、ハーブ、アミノ酸など、一般的な食事で不足しがちな栄養素を補うために使用されます。主に健康維持や体調管理を目的としています。

  • 薬(医薬品)は、病気の治療、症状の緩和、予防などの医療目的で使用されます。医薬品は疾病を診断、治療、予防するための明確な効能・効果が認められています。

2. 製造と規制

  • サプリメントは食品に分類されるため、食品としての規制を受けます。
    製造前の承認や安全性・有効性の証明を必ずしも求められません。ただし、市場に出る前に安全であること、ラベルに虚偽の情報がないことは確認されるべきです。

  • 薬(医薬品)は、厳格な臨床試験を経て、その安全性、有効性、品質が確認された後に、各国の規制当局から承認される必要があります。このプロセスは数年から数十年かかる場合があり、非常に高額なコストがかかることが多いです。

3. 法的規制

  • サプリメントのラベリングや広告は、誇大広告を避け、特定の病気の治療や予防をうたうことが禁止されています。健康補助食品としての位置づけで、特定の効果を約束することは制限される場合が多いです。

  • 薬(医薬品)は、承認された用途に基づいてのみ販売、広告が許可されます。
    処方薬と一般用医薬品(OTC薬)に分けられ、処方薬は医師の処方箋が必要ですが、一般用医薬品は処方箋なしで購入できます。

4. 監督機関

  • サプリメントは食品としての分類のため、各国の食品安全委員会や保健省などによって監督されます。

  • 薬(医薬品)は、アメリカではFDA(食品医薬品局)、日本では厚生労働省など、各国の医薬品規制機関による厳格な規制と監督を受けます。

5. 効能・効果の評価

  • サプリメントには一般に、特定の疾病に対する治療効果を示すことは期待されておらず、その効果に関する科学的証拠は必ずしも提供されていません。一方で、健康維持や体調管理に役立つ可能性がある成分が含まれていることが多いです。

  • 薬(医薬品)は、治療効果が科学的に証明されており、その有効性と安全性が臨床試験を通じて確認されています。
    医薬品は特定の疾患や症状に対して承認された効能・効果を持っており、それに基づいて使用されます。

6.使用の際の注意点

  • サプリメントは、基本的に自己判断で使用することが多いですが、過剰摂取や特定の薬との併用による副作用のリスクがあるため、使用前に医師や専門家と相談することが推奨されます。

  • 薬(医薬品)は、処方箋に基づいて医師や薬剤師の指導のもとで使用されます。副作用や他の薬との相互作用に関する詳細な情報が提供され、患者はその指示に従う必要があります。

サプリメントの製造における懸念点

サプリメントの製造における懸念点や問題点は以下のようなものがあります:

  1. 品質管理のばらつき: サプリメントは食品として分類されるため、医薬品ほど厳格な品質管理基準が設けられていない場合があります。そのため、製造過程での品質管理が不十分であると、成分の含有量が表示と異なる、不純物が混入するなどの問題が生じる可能性があります。
  2. 成分の不正確な表示: サプリメントのラベルに記載されている成分や含有量が実際と異なる場合があります。これは消費者が意図しない成分を摂取するリスクを高める可能性があります。
  3. 偽装・混入: 意図的に偽装された成分がサプリメントに混入している場合があります。特に、効果を強調するために医薬品成分が不正に添加されている場合が問題となっています。
  4. 安全性の確認不足: サプリメントの成分には、人体に対する安全性が十分に確認されていないものもあります。長期的な使用や高用量の摂取による副作用や健康リスクが懸念されます。
  5. 相互作用のリスク: 他の薬やサプリメントとの相互作用によって、効果が変化したり、副作用が生じたりする可能性がありますが、これらの情報が不足していることが多いです。
  6. 規制の不十分さ: サプリメントに関する規制は国によって異なり、一部の国では規制が不十分であるため、安全性や品質に問題がある製品が市場に流通するリスクがあります。

サプリメント購入時の注意点

サプリメントを購入する際に注意すべき点は以下の通りです:

  1. 信頼できるメーカー・ブランドを選ぶ: 知名度が高く、品質管理が徹底されているメーカーやブランドの製品を選びましょう。
  2. 成分表示を確認する: 製品のラベルに記載されている成分と含有量を確認し、不明な成分やアレルギー物質が含まれていないかチェックしましょう。
  3. 過剰な主張に注意する: 「即効性がある」「絶対に効く」といった過剰な効果を謳う製品には注意が必要です。サプリメントはあくまで健康補助食品であり、奇跡的な効果を期待するのは避けましょう。
  4. 医師や専門家と相談する: 特に既存の疾患がある場合や他の薬を服用している場合は、サプリメントの摂取前に医師や専門家に相談することが重要です。
  5. 転売品の危険性に注意: 転売品は品質が保証されていない場合が多く、偽造品や期限切れの製品である可能性があります。正規の販売ルートから購入することが安全です。
    サプリメントではないですが、先日、取引先のメーカーが自社化粧品の転売品を購入して調べたところ、劇物であるホルマリンが配合されていたそうです。
  6. 個人輸入のリスクを理解する: 個人輸入したサプリメントは、自国の安全基準を満たしていない可能性があります。また、配送中の保管状態が適切でない場合、品質が劣化するリスクもあります。
    個人輸入をする場合は、信頼できるサイトや販売者を選び、製品情報を十分に確認しましょう。
  7. 適切な使用方法を守る: 用法・用量を守り、推奨される摂取量を超えないようにしましょう。過剰摂取は健康リスクを高める可能性があります。

まとめ

今では気軽に多くの人が服用しているサプリメントですが、リスクや懸念点をあらためて理解した上で、上手にサプリメントを取り入れるようにしましょう。
あくまでも補助であり、大事なのは生活習慣や食習慣、適度な運動を心がけて美しい髪を育てていきましょう!

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