みんなが勘違いしている湯シャンの誤解

はじめに

育毛や薄毛、シャンプーの話題になると必ずといっていいほど出てくる「湯シャン」。
今回は色々なブログや記事を見た上で、美容師として感じることを書いてみました。

湯シャンとは何か?

湯シャンとは、シャンプー、コンディショナー、またはその他の髪のケア製品を使用せずに、お湯だけを使って髪を洗う方法です。
このアプローチは、今も自然派のライフスタイルやミニマリストの美容法として注目されています。

背景

伝統的に、人々は自然な方法で髪を洗ってきました。しかし、20世紀に入ると、化学物質を豊富に含むシャンプーやコンディショナーが普及し始めました。
これらの製品は即効性があり、使いやすいという利点がありますが、頭皮や髪に必要な自然な油分を取り除いてしまうことが明らかになってきました。これにより、頭皮の乾燥や刺激、さらには過剰な皮脂分泌といった問題が引き起こされることもあります。

流行の理由

湯シャンが流行している理由には、以下のようなものがあります。

  • 自然派への回帰:
    多くの人々が化学物質に頼らない自然な生活スタイルを求めています。
    湯シャンは、そのようなライフスタイルに適合するシンプルな方法です。
  • 環境への配慮:
    シャンプーやコンディショナーの生産、包装、使用、廃棄は環境に負荷をかけます。
    湯シャンは、これらの環境影響を減らす一つの手段です。
  • 健康と美容への影響:
    頭皮や髪への化学物質の使用を避けることで、自然な皮脂のバランスが保たれ、健康的な髪へと導かれると考えられています。
  • 経済的な理由:
    シャンプーやコンディショナーを購入するコストを削減できるため、経済的なメリットも大きいです。

一般的なシャンプー使用で考えられる問題点

一般的なシャンプー使用にはいくつかの問題点が考えられます。
これらは髪や頭皮の健康、環境への影響、そして経済的な観点から懸念されています。
もちろん全てのシャンプー剤がいけないとは私は思いませんが。

髪と頭皮への影響

  • 自然な油分の除去:
    シャンプーは頭皮の皮脂を効果的に取り除きますが、過剰な使用は頭皮と髪の自然な油分を除去し、乾燥させてしまう可能性があります。
    これは、髪を弱くし、切れ毛や枝毛の原因となることがあります。
  • 頭皮の刺激:
    一部のシャンプーに含まれる化学物質は、頭皮を刺激し、かゆみやフケ、皮膚炎を引き起こす可能性があります。
  • 過剰な皮脂分泌:
    自然な油分が取り除かれると、頭皮は乾燥を補うために過剰に皮脂を分泌することがあります。これは、皮脂の過剰分泌による頭皮問題の悪循環を引き起こす可能性があります。

環境への影響

  • 化学物質の排出:
    シャンプーの使用により、多くの化学物質が下水道を通じて環境に排出されます。
    これらの化学物質は水生生物に悪影響を及ぼし、エコシステムのバランスを崩すことがあります。
  • プラスチック廃棄物:
    シャンプーの包装は主にプラスチックでできており、不適切に処理された場合には環境汚染の原因となります。
  • 資源の消費:
    シャンプーの製造過程では、多量の水やその他の自然資源が消費されます。

経済的な問題

  • コスト:
    高品質または特定の髪の悩みを対象としたシャンプーは高価なことが多く、定期的な購入は家計にとって大きな負担となることがあります。

これらの問題に対処するために、湯シャンや無添加・オーガニックシャンプーの使用、シャンプー使用の頻度を減らすなど、さまざまな代替方法が提案されています。個々の生活様式や価値観に合わせて、最適な髪のケア方法を選択することが重要です。

湯シャンのメリットについて補足したい

ここでは、よく言われている湯シャンのメリットについて自分なりに思っていることを書いていきたいと思います。

  • 乾燥やフケを予防できる

    「シャンプー剤により余分な皮脂が取られず、適度に頭皮が保湿されるから」と言われていることが多いと思いますが、当たり前ですがどのタイプの頭皮の方でもそうではなくて、粉っぽくないかたまりのようなフケが出る方は、予防どころかフケや痒みを悪化させます。
    乾燥肌の方が季節によって調整しながらやるのが良いと思います。
  • 頭皮環境が整う

    よく言われている、フケや痒みが抜け毛や薄毛の要因となる頭皮環境の一つというのはあると思います。しかし、すぐ前にも言いましたが、あくまでも乾燥しがちの方のフケや痒みが前提だと私は思います。

湯シャンを続けた方がいいか見極めるポイント

・痒みやフケが出てきた・・

基本的に皮脂が残り過ぎているサインなので、普通に頭皮に合うシャンプーをして下さい。

・頭皮が少し臭いかも・・

皮脂や老廃物が酸化した匂いなので、適度にシャンプーすべきかと思います。

・頭皮がべったりする・・・

これも皮脂が残り過ぎているサインですので、皮脂が酸化して取れにくくなってしまう前にシャンプーして下さい。

湯シャンのあり方

私が思うに、環境のためにというのを除けば、湯シャンのあり方というのは「今までずっと続けてきたシャンプー剤の使用をキッパリやめて」ではなく、頭皮の状態を感じて適宜行うものです。
よく、「痒みや臭いなどは好転反応だから続けていけば良くなる!」みたいなのは私は誤解だと思っています。
「やがて自浄作用が働き出してバランスが良くなる」というのも、人間の身体はどんな状況でもそう作用はあると思うので、自分に合ったシャンプーを見つけることができれば、その状態に頭皮の環境もバランスを取るようになると思います。
あと、「湯シャンをしてもし髪がパサついたりする様であれば、トリートメントを使うと良い」とあったりしますが、だったらそもそも湯シャンをする意味がありません・・・・
湯シャンは、「おしゃれなライフスタイルのひとつ」でも「健康志向の人がやる」でも「薄毛の人が頭皮のためにやる」でも「シャンプー剤は害だからやる」でも無いです。
無理して我慢して続けるものじゃなくて、季節や髪の状態を見て一時的にやるものです
大事なのは、自分の髪や頭皮に気になるところがあれば、今の生活環境をまず知ることだと、私は思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました