[シャンプー] 良いの?悪いの?シリコンについて正しく理解したい

ヘアケア製品に使用されるシリコンは、髪の表面に滑らかさや光沢を与え、乾燥やダメージから保護する目的で広く利用されています。
これらの成分は、髪に一時的な保護膜を形成し、手触りを改善し、スタイリングを容易にする効果があります。
シリコンにも色々ある中で、これらの成分の一般的な種類とそれぞれの特性や、結局のところ害なの?どうなの?のギモンが少しでも解決できればと思います。

シリコン

シリコンはヘアケア製品で最も一般的に使用される成分の一つです。
水溶性と非水溶性の二つの主なタイプに分けられます。

  1. 非水溶性シリコン

    髪に長期的な滑らかさと光沢を与える効果がありますが、吸着する力も強い為、髪に残留して蓄積しやすく、きちんと洗い流さないと髪に重みが出たり、癖毛の方は髪に水分が入りにくくなる事で乾燥しがちになったり、髪が細い人にはボリュームだ出にくくなったりします。
    分子が大きいので良く噂される「頭皮に浸透していく」「毛穴を塞ぐ」といったことはほぼありません。しっかり洗ってしっかり流すことが大切です。
  • ジメチコン 平均的な重みの質感

    髪の表面をコーティングし、滑らかでサラサラとした手触りを提供します。
    これにより、髪の絡まりやからまりを防ぎ、櫛通りを改善します。髪や肌に薄い保護膜を形成することで、外部からのダメージを軽減し、保湿効果を提供します。
    これは、特にダメージヘアや乾燥肌に有効です。
    ジメチコンによって形成される保護膜は、髪や肌の水分が蒸発するのを防ぎます。化粧品やヘアケア製品に添加されることで、製品の塗布性や伸びが良くなり、使用感が向上します。
  • アモジメチコン 重めの質感

    髪の毛の特定のダメージ部分や乾燥している部分に優先的に結合することで、その効果を発揮します。これにより、ダメージヘアの修復と保護に非常に効果的です。
    染髪した髪に使用すると、カラーの退色を防ぎ、色持ちを良くする効果があります。ヘアドライヤーやストレートアイロンなどの熱処理から髪を保護します。
    アモジメチコンは非水溶性シリコンの一種ですが、特定の洗浄剤(通常はカチオン界面活性剤と組み合わせて使用される)で比較的容易に洗い流すことができるため、ジメチコンと比較して残留が少ないとされます。しかし、使用する製品の種類や頻度によっては、髪に蓄積する可能性があるため、適切なクレンジングを行うことが推奨されます。

  • シクロペンタシロキサン 軽め

    非常に軽量で揮発性が高いため、製品にすぐに乾く性質があります。
    この特性により、製品が髪や肌に重さを残すことなく、すぐに乾燥して軽い仕上がりを実現します。滑らかでさらさらした質感になります。
    使用に関しては、環境への影響が懸念される場合があります。その揮発性により、使用後に大気中に放出されると、環境に長期間残留する可能性があると指摘されています。

2. 水溶性シリコン

  水で容易に洗い流すことができ、残留物が少ないため、頭皮や髪への負担が少なくなります。
その特徴から、肌の毛穴を塞ぐリスクが低く、ニキビや肌荒れの原因になりにくいとされています。
また、環境に対する影響が非水溶性シリコンよりも少ないと考えられています。

これは、使用後に環境に残りにくいためです。
非水溶性シリコンに比べて持続性が低い場合があります。これは、水に溶けやすい性質が原因で、シャンプーや水に触れるとすぐに洗い流されてしまうためです。髪や肌に即効性のある非水溶性シリコンと比較して、効果が穏やかで時間が経つにつれて徐々に現れることがあります。

  • PEG-12ジメチコン 柔軟性と輝き

    ポリエチレングリコール(PEG)が付加されたシリコンベースの化合物です。水に溶けやすい性質を持ち、そのため髪や肌から簡単に洗い流すことができます。
    これにより、製品の使用後に髪や肌に重たい残留物が残ることが少なく、清潔感のある使用感を提供します。水分を引き寄せる性質があり、髪や肌に保湿効果を提供します。
    これにより、乾燥を防ぎ、髪や肌を柔らかく保ちます。
    特に多くのデメリットを持つ成分ではありませんが、人によってはシリコンやPEG化合物に対して肌や頭皮の敏感反応を示す可能性があります。

  • PEG/PPG-18/18ジメチコン 軽め

    ポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)がプラスされたジメチコン(シリコンオイルの一種)です。水に溶けやすい性質を持っています。
    これにより、使用後に製品を簡単に洗い流すことができ、髪や肌に重い残留物を残しにくくなります。肌に潤いを与える効果があり、乾燥を防ぎながら肌を柔らかくします。この特性により、スキンケア製品にも利用されることがあります。こちらも肌や髪が敏感に反応する場合があります。

  • ヒドロキシプロピルポリシロキサン加水分解コムギタンパク 保護と修復効果

    加水分解コムギタンパクが髪のダメージを受けやすい部分に浸透し、内部から補強します。
    これにより、髪の強度が向上し、破損や折れに対する抵抗力が高まります。タンパク質が髪の毛に水分を引き寄せ、保持することで、乾燥から髪を保護します。
    これにより、髪はより柔軟になり、自然な輝きを取り戻します。髪の表面に薄い膜を作り、滑らかさと光沢を向上させます。
    スタイリング時に使用する熱(ヘアドライヤーやアイロンなど)から髪を保護します。これにより、熱によるダメージが軽減されます。
    染めた髪に使用することで、カラーの退色を遅らせる効果があります。
    これは、タンパク質とシリコーンが髪の毛に形成する保護膜によるもので、カラーの鮮やかさと持続性が向上します。
    コムギタンパクに対してアレルギーがある人は、使用時に肌や頭皮で反応が起こる可能性があります。特にグルテンに敏感な人は注意が必要です。

ノンシリコンシャンプー

ノンシリコンシャンプーは、シリコンを含まないシャンプーのことで、髪と頭皮に優しいケアを提供することを目的としています。
以下に、ノンシリコンシャンプーの特徴、メリット、デメリットをまとめました。

特徴

  • シリコン不使用:
    シリコンは髪に滑らかさを与える成分ですが、ノンシリコンシャンプーはこれを含まず、自然由来の洗浄成分を使用することが多いです。
  • 自然由来成分:
    植物由来の洗浄成分や保湿成分を使用することが多く、髪と頭皮に優しい処方が特徴です。
  • 頭皮環境の改善:
    頭皮への負担を軽減し、健康な頭皮環境を促進する効果が期待できます。

メリット

  1. 頭皮への負担軽減:
    シリコンが頭皮に残留することなく、穏やかな洗浄が可能です。これにより、頭皮のトラブルを防ぎやすくなります。
  2. 自然なボリューム感:
    シリコンによるコーティングがないため、髪本来の状態に近く、自然なボリューム感を保つことができます。
  3. 環境に優しい:
    多くが自然由来の成分を使用しており、環境への負担が少ない傾向にあります。

デメリット

  1. 洗い上がりのきしみ:
    シリコンの滑らかな仕上がりがないため、洗い上がりに髪がきしむことがあります。癖毛に人は膨らみやうねりが強くなることも・・・
  2. 指通りの悪化:
    シリコンが提供する滑らかさがないため、特にダメージヘアの場合、指通りが悪くなることがあります。
  3. 価格が高め:
    自然由来成分を多用している製品が多く、同等のシリコン含有シャンプーより価格が高い傾向にあります。

まとめ

シリコンやポリマーの分子の大きさは、その化学構造によって大きく異なり、正確な分子量やサイズを一般化することは難しいです。一般的には、非水溶性シリコンは比較的大きな分子サイズを持ち、髪の表面に滑らかな膜を形成します。
一方、水溶性シリコンやポリマーはより小さな分子サイズを持ち、より簡単に洗い流すことが可能です。しかし、一部のシリコンは水に溶けにくい性質があり、頻繁に使用することで頭皮や髪に残留しやすくなる可能性があります。
この残留が頭皮の毛穴を覆い、結果として皮脂の過剰な蓄積や毛穴の詰まりを引き起こす可能性があるというのが一般的な懸念です。
ただし、この効果は人によって異なり、すべてのシリコンが頭皮に悪影響を与えるわけではありません。例えば、水溶性のシリコンは容易に洗い流すことができ、頭皮や髪に残留しにくいため、毛穴を塞ぐ心配が少ないとされています。
それぞれに求める質感にあった使い方をする事と、性質を理解した上できちんと頭皮をクレンジングしてあげれば、シリコンは悪いものでは無いと思っています。

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